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2006年05月04日

Songs From the Capeman その2

ザ・ケープマン/ポール・サイモン
ザ・ケープマン/ポール・サイモン

なぜ殺人犯を扱った物語が、こんなに美しいのでしょうか。

おそらく、このミュージカルが興行的に失敗に終わったのは、殺人者であるサルバドール・アグロンやギャング団の少年たちに同情的なストーリーだったからでしょう。ではあえてポールがこのテーマを取り上げたのはなぜだったのか?その答えが、つづられていきます。サルバドールの不幸な生い立ちとギャングの掟。白人による人種差別社会とマスコミによる集団弾圧。決して日のあたることのなかったその裏側に、スポットを当てたのがこの作品でしょう。

3曲目はサルの純粋な少年時代をつづったすがすがしいSatin Summer Nightです。直接は作品中に描かれていませんが、サルバドールは生まれてすぐに両親の離婚や、父親の虐待にあって育ち、絶望と貧困からの脱出を夢見てプエルトリコからニューヨークに渡ってきました。信心深いサルが『(貧乏でも天国にいけた)聖ラザロを信じる』と繰り返し、美しい女性たちに憧れ、恋をしていく姿が生き生きと描かれます。しかしその後ろで、ギャング団の影がちらちらとします。この世界に来たからには仲間になっておいたほうがいいんだぞ、と近づいてくる輩がいます。『この素晴らしい夏の夜…、終わらないでほしい。』そう歌い上げるのはポール・サイモンとサルを演じたマーク・アンソニー。

Bernadettaは50年代スタイルの軽快なリズムとドゥーワップを織り交ぜたオールディーズっぽい曲ですが、心うたれる若いふたりの純粋なラブソング。ほんとにこんなに純粋に人を愛せる少年がなぜ殺人事件を?という気持ちになります。布石ですね。次の曲の。

Storytellersに戻りましょう。ポールはこの曲を紹介します。「ケープマンには汚い言葉がたくさん使われているけど、人を脅かすつもりはなくて、そういう言葉遣いの中にも美しさが存在すると思っているんです。そしてこの曲では、ザ・ヴァンパイヤズというギャング団がサルを仲間に引き入れてしまいます。『ここに住みたいんだろ?安全にすごしたいだろ?じゃあ俺たちの仲間になるしかないな。』と。曲名は、The Vampiresです。」ここから再び、サルバドールの人生が狂って行きます。バリバリにラテンの不気味なピアノの調べにのって、ザ・ヴァンパイヤズの巣窟でのシーンが描かれます。あきれるぐらい放送禁止用語が繰り返されますが(実際放送では音がカットされています)、サルがエルナンデスというリーダー格のギャングに『金を俺たちに払って仲間になるんだ!俺たちは仲間のためには戦う!だが敵に対しては刃物を向けるんだ』と、一団に引き込まれます。そして曲の後半で、事件がおきます。

フレンチ・コーデロというヴァンパイヤズの少年がマリファナを売りに出かけたところ、『汚いプエルトリコの麻薬売りめ!とっとと消えろ!』とアイルランド人の集団に袋叩きにあって鎖骨を折ります。そして繰り返されるヴァンパイヤズの大合唱は…『いいか男なら覚悟を決めろ。俺たちは仲間のために闘う!』

アルバム中には描かれませんが、実際に何があったかというと、ヴァンパイヤズはこのアイルランド人の集団に抗争を挑んだわけです。ところが血気盛んなギャング団は、近所にいたまったく関係のない少年二人を巻き込み死亡させたのです。そのときに若いサルバドール・アグロンも現場にいました。彼は捕らえられ、マスコミにケープマンとして大々的に取り上げられました。実際に彼は実行犯だったのでしょうか…?

話し出すと長いですね。また続きます!





posted by yossie at 01:30 | 東京 ☀ | コメント(0) | トラックバック(0) | Simon&Garfunkel
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