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2006年03月02日

S&G NPR Interview その2

●NPR Simon & Garfunkel Interview 翻訳 その2

サイモン&ガーファンクルが二人で出演したNPRラジオインタビューを個人的に翻訳してみたものです。聞き流しながらかなり急いで書いたのであまり一語一語正確にはなってませんが、これを日本語で楽しめる資料が他になく、しかも中身が非常に興味深い内容なのでそのまま載せました。(第2回)

もとネタはこちらです→Simon and Garfunkel, The Interview


Scott Simon (SS):別の曲に関してもお聞きしてよろしいでしょうか。「59番街橋の歌」なんですが。

Art Garfunkel (AG):僕らは「フィーリン・グルーヴィ」って呼んでます。

Paul Simon (PS):僕はその曲についてはしゃべりません。

SS:え、なぜ・・・

PS:そういう質問はアーティに話してもらいましょう。

AG:彼は「フィーリン・グルーヴィ」に関してはちょっと問題ありなんだよね。

PS:いや、まって。いいやしゃべろう。気が変わった。

AG:それは新鮮だね。

PS:まあね。

AG:何が聞きたいんでしょうね、スコット。

SS:なぜ彼がこの曲について話したくないのか、まず知りたいですね。

AG:彼はこの曲がちょいと飾りすぎだと・・・

PS:OK・・・

SS:話したくなってきたのでは?

PS:いや話したくはないよ。何でいつも話したくないのか、話しましょう。あれは・・・

AG:強がりっていうか・・・

PS:・・・その時代だけに属する曲だってことですよ。いかにも60年代ってことなんです。「グルーヴィ」なんて言葉がね。ずいぶんと長い間にあの曲は・・・

AG:まるで笑顔を浮かべる顔みたいな・・・

PS:時代遅れになってしまったような気がして。おもいっきり時代遅れになってしまっている。でも最近になって・・・そう、まずその「グルーヴィ」っていう言葉がまた流行ってきましたよね。ちょっとした皮肉を伴ってね。

SS:オースティン・パワーズみたいな感じでですね。

PS:そう。最近はこの曲を子供向けの歌のように考えてます。ウディー・ガスリーの「車に乗ろうよ」とか、「イエロー・サブマリン」みたいなね。とってもハッピーで歌いやすくて、簡単に分かりやすい歌。そういうところが子供向けの歌みたいですよね。だから歌うのに新しい楽しみを発見もしたんですが、そう感じるまでは、もし再結成することがあったらこの歌だけは歌わないということを前提としてたし、やったとしてもしぶしぶやってたでしょうね。

SS:あなたは好きですか?

AG:ええ、好きな曲です。僕にとっては洗練された手法で書かれた曲だと思います。素晴らしく・・・あの(イントロの)♪ティッティリィ、ティッティリィっていう音階を下るギターフレーズが歌そのものになっていて、それが繰り返される中でメロディーのバリエーションがあって、そのギターフレーズもとってもよくできていると思います。あのちいさなフレーズからどこまでもいけるような感じがします。

SS:この曲について、わざわざ「サウンド・オブ・サイレンス」の後にお聞きしたのは、この二つが対照的だからなんです。それでは、また別の方向へ行ってみましょう。「明日に架ける橋」についてはいかがでしょう?

AG:ああ、なんて素晴らしい歌だろう。

PS:「明日に架ける橋」に関しては・・・えっと、お気づきかもしれませんが、この曲について話すときは必ずアーティはどうやって歌うかという視点から話をするし、僕に関していえば、必ずどうやってこの曲を書いたのかって視点から話をします。と、いうことで、どうやって書いたかについてまず説明します。

SS:お願いします。

PS:えー・・・

SS:ちょっとその前に・・・(飲み物を注ぐ音)。今再び「サウンド・オブ・お風呂場の流れる水」をどうぞ。(笑い)

PS:いや、そのころにはもうその手法は使わなかったよ。そのころには曲を書くムードに浸るためには、違う道具を使ってました。

SS:そうですか。

PS:僕はマンハッタンのイーストサイドのかなりアッパータウンに住んでいて、ちょうどロンドンから戻って・・・いや違った、イギリスからもどって何年か経ってたけど、グレーシー邸の近くのアパートでした。いくつものメロディーを集めてみたり、ゴスペルをたくさん聴いたりしてました。夜中に一人でギターを弾いてたときに、はっきりこれは覚えてるんですけど、それまで何にも考えてなくって、歌詞もメロディーも考えてなかったのに、いろんなコードを弾いているうちに、この曲を歌ってたんです。

SS:ほんとですか。

PS:自分で信じられませんでしたよ。すごくびっくりしました。大げさに言うつもりはないですが、とにかくいったいどこからそれが来たのか分かりません。どこか頭の上のほうから降りてきた感じでした。これは何かの贈り物だと思いました。そしてその歌に心から感動をしました。僕がそのとき書いたのは2番の歌詞までです。最初の二つのバースだけです。で、この歌をギターで、あるキーで歌ったんですが、そのキーが僕には高すぎました。初めて誰か別の人に歌って聞かせたときのことを覚えてますが、作曲したキーで、つまり自分に合わないキーで歌ったので、高いところを歌うときはファルセット(裏声)で歌ったんです。それを聞いて、まわりのひとは「うん、いいね」とは言ってたけど、だれも感動した様子はなかったですね。

AG:僕は感動したけどね。

PS:いや、感動してなかったよ。

AG:感動したってば。君のそのファルセットも素晴らしかったよ。曲も素晴らしいと思った。これはいける曲だって。すごく気に入ったよ。

PS:え?そうだったのかい?てっきり・・・

AG:いろんな本とか読んでたら、君が言うには僕が最初気に入ってなかっただとか、歌いづらそうだったとか書いてあるのを読んだことがあるんだけど、それは・・・。

PS:いや僕の記憶によれば・・・ああ、ひょっとするとこれで君の言ってることと合うのかもしれないけど、僕が覚えてるのは、君が「僕が歌うべきじゃないと思う」って言ったことだよ。僕がアートに「これは君の曲だ、君が歌うべきだよ」って言ったのにですよ。これが普段と違うことは、そのときまでは僕らはひとつの曲を一人だけがリードを取って歌うってことはあんまりなかったんです。僕らはずっとエヴァリー・ブラザーズのようなデュオであって、これとは対照的なレノン=マッカートニーとは違っていたんです。彼らはジョン・レノンが書いた曲は彼がリードを歌って、ポール・マッカートニーの書いた曲は彼が歌ってましたからね。でもそのときはこの曲をアートにプレゼントしようと思っていたんですが、彼は「君が歌いなよ」って言ってきた。だから、なんだ、彼はあんまり気に入ってないんだって思ったんです。

AG:違うよ。僕がそういったのは、君のファルセットの響きが素晴しいのにそれまで活かされてなかったから。すごく豊かで素敵な響きだったし、そんなに美しく歌えるなら君のその能力を世に知らしめるべきだって思ったんだよ。

PS:それならあの曲を人に歌わせてしまうなんて、僕のキャリアの中で最大の過ちを犯すべきじゃなかったね。

SS:(笑い)

PS:でもね、やっぱり公平に言って、僕がやってもアーティのようにはうまく歌えなかったと思いますよ。

AG:とても慈愛に満ちた素晴らしい曲だと思うし、あの曲を歌えるのは僕にとって幸せなことだけど、ポールには自分のファルセットの響きの素晴らしさをそんな低く見ないで欲しいな。

PS:うーんちょっときれいに言い過ぎのような気がするが、まあ受け止めておくよ。

AG:いいかい。番組が終わったあとでも君のところに行ってこう言うよ。「なあ、本当に、本当に僕はこの曲が大好きで、とってもすごい曲だと思う。僕は昔からそう思ってたし、君は今日のこのスコット・ショーまでずっとひどい誤解をしていたんだ」って・・・。

PS:オーケー、わかった。ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいよ。

SS:えー、私たちは何か必要でしたらお手伝いしますが・・・

PS:当時ずっと・・・

SS:助けに入って欲しいときは言って下さいね(笑い)・・・

PS:ごめんよ、スコット・・・

SS:ああ、すみません、続けて。

PS:当時ずっとゴスペルを聴いていたおかげで、ピアノの演奏の曲にしたかったんです。それで一緒にやってたピアノプレーヤーのラリー・ネクテル、彼はゴスペルが好きで、彼にこの曲を見せて演奏してもらいました。ちょっとゴスペルっぽくね。それからピアノパートを録音するのに数日かかりました。そうしている間に、これは僕の記憶なので後で訂正があるかもしれないけど、アーティとエンジニアのロイ・ハリーが3番の歌詞があったほうがいいって僕に言いました。僕はちょうどちょっとした賛美歌のように、2番までしか書かなかったのでね。でも彼らは曲を完成させるには3番がいるって言って、僕はスタジオで3 番の歌詞を書いたんですよ。

AG:そう。何でかって言うと、僕らはフィル・スペクターのプロデュースしたライチャス・ブラザーズの「Old Man River」が気に入っていて、スペクターはビル・メドレーにこの曲の最後までソロで歌わせたんです。♪I'm sick of trying, but old man... そして最後のところで彼はたくさんの演出を重ねて行きます。女性ボーカルが入り、マラッカが鳴って、コンガが入ってきて・・・こうして最後に大きな展開を見せた後、フェードアウトしていく・・・それが素晴らしいと思ってました。最初に抑えてきて、最後の展開を予想させない感じにしてあることがね。

SS:本で読んだことがあるんですが、あなたは「明日に架ける橋」をアーネムの橋で歌ってますよね?以前のD-Day記念日か何かでしたか?

AG:ええ。1994年にアラン・パーソンのTV番組があって、そこに「明日に架ける橋」を歌ってくれって招かれてオランダのアーネムで歌いました。

SS:それはさぞ・・・

AG:それは大掛かりでしたよ。すごかったです。歌にあわせてパラシュートが降りてきて・・・

PS:知らなかったよ、すごいね。

AG:うん、よかったよ。

PS:最初に「明日に架ける橋」が放送されたのは僕ら自身のTVスペシャル番組だったんですよ。たしか「サイモン&ガーファンクルのアメリカ」っていう番組名だったかな。名前は言いませんけど大きなスポンサーがついてましてね、大きな会社で。僕らはインタビューでいろいろ話したんですが、それは政治的な内容でした。僕らは、つまり、政治的だったんです。そしたらそのスポンサーは手を引いてしまった。「明日に架ける橋」はジョン・F・ケネディの葬儀とかロバート・ケネディの遺体を運んだ列車とか、マルティン・ルーサー・キングJrとかの映像のバックに流されたんですが、強い平和へのメッセージがこめられてました。スポンサーが言うには「これは政治的過ぎる」って言うもんだから僕らは「いったい何が政治的なんだ」って聞いたら「この3人とも民主党だ」って。だから「そうじゃなくて、彼らはただ殺されたというだけだ。政治的なまとまりなんじゃなくって、殺されてしまった人たちなんだよ」って言ったんです。でも結局スポンサーは手を引いてしまって。

AG:彼らはこう言いました。「認めなさい。君たちはここに政治問題を持ち出しているんだぞ」って。「いったい何が政治問題なんだ?」って聞いたら「ヒューマニズムだ」なんて言ってましたよ。

PS:そのとおり。1970年のことだよ。ね。それのおかげで僕らはキャリアのピークにあって初めて嫌がらせの手紙というやつをもらいましたよ。

SS:この曲のことで?

PS:いや、このTV番組のことでです。とにかく、これが「明日に架ける橋」のデビューです。ラジオではなくって、テレビでした。

SS:この曲はとても情感的な力を持っていますよね。そこでお聞きしたいんですが、たとえばお二人のどちらかでも、あるときエレベーターに乗り込んで、BGMバージョンでこの曲が流れてるのを聞いて、たとえばその・・・よく分かりませんけど(笑い)、どうなんでしょう、頭の中でキャッシュレジの数字がどんどん回転してたりとか(笑い)、いったいどう感じるもんなんでしょう?

AG:それは難しい質問だね。

PS:僕はエレベーターのBGMで僕の歌が流れるのは大好きですよ。ホントに好きですし・・・

SS:ほんとですか?

PS:ほんとです。自分の歌をエレベーターBGMのバージョンで聞くっていうのは好きです。

AG:君はそういうのを演奏して録音している人たちのところに行きたい?

PS:いや、そういうことではなくって、この曲がそこまで社会性を持ってきて、いいアレンジがされているってことに心動かされるんだよ。そういうこと。みんなにこの曲が浸透しているんだって。エレベーターのBGMに使われるほどみんなに浸透しているんだってことでね。この曲で結婚式をあげた人も知ってるし、葬儀でこの曲を歌った場面にも居たことがあるし、昔ほどではなくなってるけど、いまだにこの曲がいったいどこから来たのかよく分からないって考えることがあるんです。でもその曲がこの社会の中で受け入れられてきたことがとても驚きです。

SS:お二人に聞きたいんですが、自分たちの歌がある場面で流れてきて、驚いたことなんてありますか?

PS:ちょっとあんまりマイクにしがみついてるみたいでいやなんですが、僕ひとつ思い出すことがありますよ。

AG:いいよ、つづけて。

SS:お願いします。

PS:アマゾン川を旅していたときのことです。そのとき・・・

AG:ああ、もう分かったよ。

PS:そう。アマゾン川を船で下っていたときのことなんですが、どこだか分からない、インディアンの村がある所で停泊したんです。ちゃんとした道なんかなくって、車なんかが通れないぐらい狭くて両脇に草の生えたセメントで固めた通りがふたつあっただけ、というような場所でした。小さい小屋みたいのがあって・・・いや、小屋より少し大きいかな、小さな家がたくさんあるインディアンの村でした。その村を歩いていると女の子がポーチというか、窓のない小さな部屋の端に座っていました。その子はギターを弾いてました。僕たちはそれを聴こうと思って立ち止まりました。そして彼女に、「僕は君が知ってだろう曲を知ってるよ。」って言いました。

AG:♪パーララリーラーリーラーリー・・・(「コンドルは飛んでいく」イントロ)

PS:そうだね。で、僕は「コンドルは飛んでいく」を演奏したんです。彼女はやっぱり知っていて、歌いました。もちろんスペイン語で。そのあと、「君もなんか弾いてよ」って言ったら、彼女「サウンド・オブ・サイレンス」を演奏したんです。

SS:わあ、すごい。

PS:これはなかなか口では説明できませんが、僕らはおんなじ言葉はしゃべらないけどギターでコミュニケーションをとることができたんです。それ以上言うことはないんですけど、ただ、びっくりしましたね。

SS:すごいですね。






posted by yossie at 00:00 | 東京 ☀ | コメント(0) | トラックバック(0) | Simon&Garfunkel
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