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2006年03月03日

S&G NPR Interview その3

●NPR Simon & Garfunkel Interview 翻訳 その3

サイモン&ガーファンクルが二人で出演したNPRラジオインタビューを個人的に翻訳してみたものです。聞き流しながらかなり急いで書いたのであまり一語一語正確にはなってませんが、これを日本語で楽しめる資料が他になく、しかも中身が非常に興味深い内容なのでそのまま載せました。(第3回)

もとネタはこちらです→Simon and Garfunkel, The Interview



Scott Simon (SS):「ポール・サイモン・ソングブック」に関して少しお聞きしたいのですが。これはずいぶん前に録音されたアルバムですね。ロンドンで。

Art Garfunkel (AG):そうですね。ロンドンで作られた。

Paul Simon (PS):ええ。

SS:そのライナー・ノートを読んだんですが、この中であなたが言ってることについてお聞きしたいんです。

PS:なんてこった。

SS:最近ご自分でお読みになりました?

PS:いいえ。

AG:ポール、これはやられるぞ。

PS:僕は一度終わったものをあとから読んだり聴いたりはしませんよ。

AG:君の言ったことだぞ。それいけ、スコット。

SS:私の聞こうとしてることが分かります?

AG:いや。ただポールに罰が下るぞって、そのフリをしてるだけ。

SS:(笑い)いや、そういうことではないですよ。このはるか昔にあなたの書いたライナーノートですけど、こんな始まりです。『まず分かってることは、僕の書いたすべてのものはやがて僕自身を振り返って笑うだろう、ということだ。僕は永遠に自分の言葉の前に一歩引いて取り繕っているだろう。』そして最後にあなたはこう言います。『この辺にしておこう。この書き物は僕の行きたくない場所へ僕を追いやり、僕の見たくないものを映し出した。ひとつだけ分かってること。僕はこれを読み返すことはないだろう。』

PS:うん、まあほんとのことを言ってるよね。

SS:今書いた歌でもいずれは自分のものではなくなるような気がするってことですかね。

PS:よく分からないですけど、ほんとのこと言ってる所もありますね。僕は実際一度仕上げたものをまた見直すのは好きじゃないです。一度完成させたレコードをもう一度聴くってこともしません。自分の書いたものが自分を向いて嘲り笑うかどうかはよく分かりませんが、確かにどこかの時点で自分の書いたほとんどの曲に対して考えが変わってきていますよ、ああ、これはダメな曲だって。でも実際のところ、ホントにダメな曲ってのもあるんですよ。冗談抜きでね(笑い)。良くないんです。いい曲もありますけどね、多くの曲は良くないんです。

SS:ちょうどあなたがそう言うので、多大なる尊敬の念を持ってお尋ねしたいのですが。あなたの評価によるとどの曲がいったいダメな曲なんでしょう?

PS:もしリストにしてくれれば、これはよし、これもよし、これはダメ、ってやりますよ。

SS:それでは、お気になさらずにお願いしますね。

PS:気にしますよ。

SS:気にします?

PS:だってどの曲がダメな曲か言えっていうんでしょ?(笑い) まあいいけど。

SS:じゃあランダムに3つだけあげましょう。

PS:いいですよ。

SS:それでは。ああ、私はこの3つはすべて素晴らしいと思ってるんですけどね。(笑い) では、「アイ・アム・ア・ロック」。

PS:たいしてよくないですね。

SS:そうですか?

PS:・・・・。

AG:僕のほうを見ないで。

SS:分かりました。「リチャード・コリー」。

PS:それはダメな曲です。

AG:僕も嫌いです。

SS:ほんとですか?!

PS:ほうらね。

SS:お二人ともこの曲がお嫌いなんですか?

PS:ええ。あれは良くないです。まず第一に(もとになった)エドガー・アーリントン・ロビンソンの詩は中学生、あるいは高校生で習うとショッキングで印象に残るものですよね。で、この詩自体がいくらよくっても、歌にしてみたらそんなに良くなかった。

AG:君はああいう曲を書かざるを得なかったんだろう。力強くてアップテンポの辛口なやつを。アルバムの中でそういう曲が必要だったんだからね。

PS:でも、この曲をカバーした人を知ってる?ヴァン・モリソンだよ。

AG:そうかい?

PS:『ゼム』っていうグループでね。『ゼム』って覚えてる?

AG:ああ、覚えてる。

PS:彼が録音してるんだよ。この曲はイギリスで人気があってね。向こうじゃもともとの詩を知らないんじゃないかな。で・・・うん、まあこれ以上は言うことないですね。すみませんが。僕が20代のころに書いた曲は、基本的にはうまくできたいい曲もあって満足してますよ。でもただ若い時の歌だな、っていうのももたくさんあるんです。

SS:でもずいぶん長い間人気を得てきた曲たちですよ。たくさんの人たちがそういう曲をとても愛して尊敬して来てますからね。

PS:それはその通りですね。その通り。だから僕は、もともとはそうでもなかったのに、時を経ることでだんだんと力を得てきている曲があるって言っているんです。でも書いた当初から意味深い曲に関しては、僕は自分で書いたということに驚きを感じているんですよ。例えば、こないだ再結成してまた一緒に歌う機会が来たということで、コンサートの中で何をしようか考えながら「旧友」について考えていたんですけど、26歳のときに書いた曲をまた再び62歳になって歌うなんてすごいことですよね。皮肉でもあるけど。この歌の意味している世界に近づいていくにつれて、いったい26歳のときにどうしてこんな曲が書けたのか、分からなくなりますよ。僕自身説明がつかないんです。この曲はいいですね。いい曲です。「旧友」は。

SS:ええ、素晴らしい曲です。

PS:「アイ・アム・ア・ロック」はそこそこ。「リチャード・コリー」はダメ。他には?三つ目は何ですか?

SS:「早く家に帰りたい」についてお聞きしようと思ってました。

PS:「早く家に帰りたい」は本当にいい歌ですね。僕にとって大切な曲です。フィンガーピッキングのフォークソングとしてもいい曲だし、本当のことについて歌われる曲だし。僕は実際にある北部イングランドのある駅で、ある実際の人について、そしてある場所、僕はロンドンに戻りたかったんですから、そういうことについて書いたんです。だから、これは実話なんです。単なる青年期の雰囲気をかもし出すような空想の世界じゃないんですよ。本当のことを伝えてます。だからはっきり根拠があるんです。この曲は「家」について書かれていますから、「家」がいったい何を意味するのかってことを歌うことで、曲として力を持っていますね。ギャリー・ワイスっていう映像監督がいて、この人は僕とチェビー・チェイスがやった「コール・ミー・アル」のビデオを撮ってくれました。彼が作ったビデオで、単に家路について空港に到着して、家族や友達と再会して抱き合ったりしている、それだけのビデオがあるんです。このビデオのバックに使われたのが「早く家に帰りたい」だったんですが、その映像とあいまってとても印象が強い曲になっていました。分かりやすいですよね。この曲について嫌いなことがあるとすると、それは「Homeward Bound」っていう言葉は新しいオリジナルの言葉でもなんでもなくって、僕が作った言葉じゃなくて、使い古された言葉だってことです。

SS:「Citizen of the Planet」にいてお聞きしたいのですが。

AG:世の中の人はその曲は知らないでしょう。

SS:でも、このあとみんなが知ることになりますよ。

AG:Citizen of the Planetはポールが何年も前に作ったデモの曲でした。僕はこの曲がずっとお気に入りで、でも忘れてしまっていました。録音も発表もしませんでしたから。でもつい去年のこと、この曲をキッチンでふと見つけて聴いてみたら、以前のようにやっぱり気に入って。皆さんに聴いてもらいたいと思いました。この Citizen of the Planetに関しては僕が立役者なんですよ。

SS:さて、こんな風に総括させてください。私たち今日お二人にそろってお話を聞くという名誉をいただいていますが、『二人の関係については聞いてはいけないよ』と警告されていました。

PS:ふん、そう。まあいいですけど。なにも警告なんかする必要ないのに。

SS:いえいえ、待ってください、お二人にはそれでもすでにお話いただいて・・・

AG:『二人の関係について』だって?それを話してきたんですけど。

SS:まあ、そう言われたんですよ。でも最後の構成はこうしたいと思います。質問します。ガーファンクルさん。あなたの人生を振り返ってみたとき、あなたは一緒に歌ってきたのがスティーブン・グリーンブラッドではなくって、ポール・サイモンだったことを喜ばしく思いますか?

AG:(笑い)

SS:この名前、これであってます?

AG:ポール・サイモンはとてつもなく僕の人生を豊かにしてくれました。僕は彼と家族が、僕の育ったクィーンズに引っ越してきて、友達になれたことを幸せに思います。もちろん長い間の友情には光と影があります。もうたくさんお話して聞いていただいてますけど、ポールと知り合うことで僕の人生は本当に豊かになりました。

SS:スティーブン・グリーンブラッドの話に関しては何にもないです?

AG:誰ですか、それは?あんまり思い出せません。名前はなんか聞いたことはあるような・・・

PS:スティーブン・グリーンブラッドって誰?

SS:彼は有名ですよ。このインタビューの後もっと有名になるでしょうけど。ハーバード大学の英語の教授です。彼が言うには、あなたたちが大学に来て歌ったときにこう言ってたって言うんですよ。「僕ら友達がクィーンズにいるんだけど、あなた来て会いませんか?3人で一緒に刺して(sting)・・・いや、歌って (sing)もいいかもしれませんね」ってね。そう言ったと。(訳注:sting と singはScott Simon氏の言い間違い)

AG:一緒に刺しあう(sting together)!それだよ、今までやってきたことは!(笑い)さあ、僕はそのスティーブンて知りませんね。良くあることなんですけど、誰か来てあなたを知ってるって・・・

PS:そうか、ならいいグループネームがあるよ。もし彼を加えるならね。サイモン、ガーファンクル&グリーンブラッド。まあそんなのはないだろうけどね(笑い)

SS:ええと、長年にわたって音楽で結ばれた関係を続けるというのには、いったい何が必要なんでしょうね?さきほど「光と影」という表現がありましたが。

AG:歌うときっていうのはとても自己中心的で、自分の耳は絶えず素敵な音の喜びを求めています。だから自分自身にこの声の喜びを伝えるためにマイクに向かって歌うときは、それが一緒にできる友人が必要になるんです。だから僕の場合は「音」ですね。そんな素晴らしい音の響きを一緒に作り出せる友人がいる、ということですね。

SS:それではサイモンさん、作曲者としては「音」以外に何かあるんでしょうか?

PS:うん、それは結構複雑に絡み合って、僕らのレコードを作ってきた仕組みだと思います。僕は曲を書いて、ギターのパートを作ってきました。アートはハーモニーを歌い、ロイ・ハリーがサイモン&ガーファンクルのサウンドを創り出しました。

SS:あなたたちのレコーディング・エンジニアですね。

PS:ええ、彼があの音を創り出したんです。その結果、たぶんアーティも同じ考えだと思うけれど、驚くほどに長く存続する、作品として仕上げられてきたんです。そして、ふつう若い人がそうであるように、僕らもあんまり良く考えてませんでした。解散をしたときもそれほど真剣に考えたわけではありませんでした。いや、ひょっとしたらアート、君は考えたのかもしれないけど、僕は考えなかった。僕にしてみれば、まあいいや、彼は自分の道を歩んで映画を作っていくし、僕はレコードを作り続けていくし、って思っただけです。ただ5〜6年経って別れる時がきたということです。他のグループを見てみたら、グループとしてはなかなか長いほうだと思いますよ。とくにデュオとしてはね。ビートルズが続いたのと同じぐらい続いたし、エヴァリーズが続いたのも同じぐらいの期間だし。それだけのことでした。今になってみると、僕らの人生や長い友情関係のなかで、良く分かってやってますけどね、僕らが自分たちの若いときに作った作品がたくさんの人を感動させたということを。僕らが自分たちを表現することしか考えていなかったにもかかわらずね。だからこれってとってもすごいことだと思うんですよ、ほとんど僕らの長い人生にわたっての経験ですからね。年をとってきてさらにそれが強まってきています。僕はそうやって見ています。僕らは小さいころに近所で歌える友達として結成して、僕が歌を書いて、アーティが気に入って勇気付けてくれたりいろいろ引き出してくれたり・・・僕だけだったらやれなかったことがありますよ。例えば「明日に架ける橋」の3番の歌詞は僕だけなら書かなかった。僕らはみなこのユニットの中で協力して5枚のアルバムを作って、解散した。何回か再結成して・・・まあ、今回の再結成以前のものはあんまり楽しいものではありませんでした。1981年にも再結成したけど…

AG:コンサートはよかったけどね、そのあとが。

PS:そう、その後がよくなかった。セントラルパークは楽しかったのにそのあとにツアーに出たら、それが楽しいものじゃなかった。

AG:野外コンサートもやったっけ?

PS:やったよ。

AG:ああそれだ、だから嫌だったんだよ。

PS:そう、アーティは野外で歌うのが嫌いだからね。それから1993年にも再結成したけど、そのときはホントに、ホントに嫌だった。それでまた会わなくなった。でも次第にそんなこと考えなくなってきたんだ。彼は僕にとって一番古い親友だし、11歳のころから近所に住んでた。人生の中で大変な時期をともに過ごしてきたんだし、今になってもバラバラになっている理由なんてないんだよ。だから絶対に友情を取り戻さなきゃって思ったんだ。ツアーに出るか出ないかっていうのはそれほど重要なことじゃなくって、ただ長い間壊れていた友情を取り戻したかっただけなんです。で、実際に仲直りした。周りの人はみんな『また喧嘩するだろう、また言い合いするんだろう、また別れるよ』って言うんだけど、そんなことないよ。ああ、一回だけ言い合いがあったけど、『まあいいさ、忘れよう』って言ったんだ。少年時代はずっとそうだったんだよ。『いいよ、気にしないでいこう』ってね。忘れて、前に進もう、それだよ。

AG:そういう食い違いの歴史が僕らにはあっても、でも気にするな、忘れようってこと。そういう風にしてきたんだから。

PS:そのとおりだね。気にしないでいこう。決まりだ。

SS:今日は本当にありがとうございました。お二人とお話できて素晴らしい時間でした。

PS:ありがとう、スコット

AG:いろいろ聞いてくれてありがとうございます。

SS:アート・ガーファンクルとポールサイモンは20年ぶりのツアー中です。そして間もなくものすごく久しぶりの新曲を発表します。お聴きください。Citizen of the Planetです。


終わり






posted by yossie at 00:00 | 東京 ☀ | コメント(0) | トラックバック(0) | Simon&Garfunkel
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