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2006年10月05日

ストレンジャー

ストレンジャー/ビリー・ジョエル
ストレンジャー/ビリー・ジョエル

ビリー・ジョエルのアルバムの中で一番すきなのはこれかな。以前イノセントマンについて書いたときも言ったんだけど、ロックにして、この芸術性は筆舌に尽くしがたいものだと思う。たぶんこれが好きな理由はそういったつくりの美しさと共に、とってもニューヨークを感じさせるのものだからなのかも。

ミドルテンポのロックナンバーMoving Outは出だしとしては地味な曲かもしれないけど、この曲の主人公アンソニーが成功を夢見て雑貨店で働きながらその成功とはいったいなんなんだろうと悩む姿は、ブルース・スプリングスティーンやポール・サイモンの歌に登場する主人公と共通点のものがある。ニューヨークってそういう街だし。ホントは気づいてるんでしょう?大成功なんてないんだよ。ってやさしく降りてくる言葉と、「heart attack(心臓麻痺)」「キャデラック」という言葉で機械仕掛けのロボットが発するような発生を響かせて夢と現実を悟らせるのが、この曲の主題。

続くタイトルナンバーのStrangerは、アルバムの中で最も芸術性が高く、この一曲があることでアルバム全体を不朽の名作に仕立て上げているといってもいいでしょう。自分の本当の姿をさらけ出そうって訴える曲はたくさんあるけど、ここまで美しく、ロックしているのはないでしょ。曲のイントロとアウトロに使われている有名な口笛とジャジーなピアノはいかにも取り繕った姿だけれど、歌い始めてからはロックになる。でもまた口笛で終わってしまうところに、人間に弱さが表現されています。ジャケット写真に注目。

そして超有名曲、「素顔のままで」(Just the Way You Are)。もうあえて言うことはないですが、アルバム中ではもっとも素直でシンプルなラブソング。天才の仕事。なんとなくピアノバラードのイメージだったんだけど、久し振りにちゃんと聞いてみたら実は意外にアコギ主体のだったのね。彼自身がメディアでよくしゃべってるように、この曲はみんなが大好きだけに、ずっと弾き続けなくてはいけない辛さってあるんだろうなと思います。でも、「ストレンジャー」との対比で歌うのなら、これを歌うのも意義のあることなんじゃないかな〜なんて勝手に考えてたりして。

「イタリアン・レストランで」は素晴らしいストーリー性をもった長編曲で、7分半もある。僕はもともとこういうミュージカルっぽい曲が大好きです。ストーリーの起伏に合わせて曲調も変わっていく。これってPVないのかな。映像にしたらどんな風なのか、見てみたい。歴史を持ったカップルの回顧録のような曲。

さて。このアルバムがたぶん一番好きといっておきながら、実はいつもちゃんと聴くのはここまで(笑)すみません。それくらい、ここまでの4曲が素晴らしくてお腹いっぱいになっちゃう。このあともいい曲は続くしバラエティにとんだ飽きの来ないトラックばっかりなんだけど、なぜかここまでの4つを繰り返し聴いてしまいます。

とは言っても、無視できませんよ、こっからも!(笑)「若死にするのは善人だけ」(Only The Good Die Young)も彼の有名なレパートリーだし、She's Always a Woman to Meはフォーキーで流れのある良いバラード。最後を締め括るEverybody Has a Dreamはアルバムの中ではちょっと地味な印象。ゴスペルでもりあげるけど、この曲の役割はむしろ最後に「ストレンジャー」のピアノをもう一度響かせて、再び殻に閉じこもってしまうところにあると言えるでしょう。

決して希望を表現していません。芸術です、これは。

そうだ、忘れちゃいけないのが、この作品のプロデューサーがフィル・ラモーンであること。彼の代表作でもありますね。








posted by yossie at 00:41 | 東京 ☁ | コメント(0) | トラックバック(1) | Billy Joel
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