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2007年02月06日

Stories We Could Tell

Stories We Could Tell
Stories We Could TellThe Everly Brothers

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残念だなぁこういう名盤がどんどん廃盤になってしまうのは…。まだ廃盤じゃないのかもしれませんが、amazonではもう在庫が入ってないですね。ただ、Stories We Could Tell: The RCA Recordingsという、同じく70年代の傑作アルバムPass the Chicken and Listenの楽曲とセットになったCDはまだ売っているようなので、興味のある方はそちらを。かなりお買い得ですが、二つのアルバムの曲が混じってしまっているのでその辺は注意が必要です。

ロックでもないし、カントリーでもないし、ウェストコーストの爽やかなハーモニーロックスタイルと、南部ブルースの泥臭さが融合したような音楽で、ゲストミュージシャンがとにかく豪華な70年代エヴァリーズの傑作。

ジョン・セバスチャンラス・カンケルデラニー&ボニー・ブラムレットらをはじめ、グラハム・ナッシュライ・クーダージム・ゴードン、その他大勢の有名ミュージシャンが脇を固める奇跡のバンドアルバムです。いっぽうでドンが認めるように「あまりに多くのタレントが出演している為に、エヴァリー・ブラザーズらしさにかけている」かもしれません。

しかし一曲目のAll We Really Want to Doからグルーブ感にあふれた展開。ドンとフィルがリードを取りながらも、デラニー&ボニーがバックコーラスで豪華な味付け。スリリングなロックナンバーです。

続いては、Breakdownというバラード。曲自体は地味な作りなはずなのだが、こういう曲をやらせたらエヴァリーズはうまい。とくにドンのソロパートの味はなかなかほかのひとに真似できるものではないと思います。感情を押し殺したようなふたりのハーモニーから解き放たれたように歌うドンのソロが、感動的でさえあります。

長時間かけて作られたドン&フィル共作のGreen Riverは、実はふたりの共作曲としては最後の作品になるようです。この曲自体は1968年あたりから試行錯誤のレコーディングが行われていたようで、この1972年のアルバムにて一応完成形を迎えます。とくにドンがこの曲が好きなようで、なにより気に入っている曲だと言っています。前曲のBreakdownの流れを汲んだバラードですが、雄大な川の流れを表現したスケールの大きなハーモニーに、当時のフィルはエヴァリーズとしての限界を感じてきていた曲でもあるようです。恐らく、ドンの歌い方や曲の進化によって昔ほどうまくハモれていないと感じていたのだと思います。

Mandolin Windはもともとロッド・スチュワートのソウルフルな曲で、すっかりエヴァリーズがアレンジをスマートに変えてしまっていますが、このドンの自由奔放な歌い方に、フィルが見事なハモリを効かせています。

ちょっと珍しいのがUp in Mable's Roomで、これだけ雰囲気が違います。というのも、フィルのソロナンバーで、曲調もこれだけ囁き系の穏やかなカントリーバラードと、フィルっぽい曲です。ピアノがお洒落。

無法者を歌ったDel Rio Danでは再びドンが力強いボーカルを歌い上げ、フィルが幾重にもハーモニーを重ねて重厚なボーカル曲になっています。

Ridin' Highという曲は、中盤のハイライトで、アルバム中最もキャッチーなメロディとリズムを持っています。ということで、シングルにもなりました。君が現れて、僕は空を駆け巡るという、明るい歌詞と曲調がさわやかな一品。フィルの高音ハーモニーもよいです。

次の曲が頭を離れない〜。Christmas Eve Can Kill You。タイトルからしてもう死にそうでしょ。『クリスマスイブは人を殺しかねない』なんて。この曲と前曲はナッシュビルのシンガーソングライター・Dennis Lindeという人の書いた曲です。美しいメロディと切ない展開のバラードで、名曲です。これはエヴァリーズのベスト10の中に挙げてもいいかも。

一転してノリノリのロックナンバー、Three-Armed Poker-Playin' River Ratがしんみりした心を救ってくれます。ここまでのりのいい曲だといつものドンだと悪乗りしてしまいそうなんですが、ここではしっかりと安定したボーカルを聴かせてくれます。続くI'm Tired of Singing My Song in Las Vegas明るい曲調のイージーなカントリー・ソングですが、よく歌詞を聴くとなかなかやるせない。ショウ・ビジネスに嫌気の差していたドンの心情を歌った曲で、ドン自身が書いています。って、よく聴くとこれドンのソロだ。まったくフィルの声が入ってませんでした。

そしてストリングスの豪華なカントリーナンバー、Brand New Tenessee Waltzsやジョン・セバスチャンのStories We Could Tellまで、一つ一つが個性の強い曲によって構成された、聴き応えのあるアルバムです。このセッションのスタジオの写真が残っているのですが、すさまじいです。たくさんの有名ミュージシャンが狭いスタジオの中にすしづめ状態で楽器弾いてる(笑)。

なんとも豪華なアルバム。







posted by yossie at 00:45 | 東京 ☁ | コメント(0) | トラックバック(0) | The Everly Brothers
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