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2005年05月31日

Live at the Tower Theater

トニー・レヴィンってのがコンサートしに来るんだけど、見に行かない?って友達に言われて、なんだかよくわからないけど数年前に見に行きました。と、いうのはこの人がポール・サイモンと関わりがあると教えられたからです。実際にはある一時期に一緒に仕事していただけで、あんまり長続きはしなかったみたい。もともと1978年のアート・ガーファンクルの「ワンダフル・ワールド」という曲でトニー・レヴィン、リチャード・ティー、スティーヴ・ガッド、そしてポール・サイモンという面子でレコーディングをしていて、そのへんからワン・トリック・ポニーのセッションメンバーが固まって行ったのかな。

Live at Tower Theatre / ポール・サイモン

liveatthetower.jpg


面白いことに、このライブアルバムには3人のレヴィンが登場してますね。ベースのトニー・レヴィンと、トニーと瓜二つでどっちがどっちだか分からないシンセサイザーのピート・レヴィン(お兄様らしい)、それからジョナ・レヴィン(ポール・サイモンの映画中の役名)。このライブは、映画ワン・トリック・ポニーのライブ版であるわけですね。スティーヴ・ガッド、リチャード・ティー、トニー・レヴィン、そしてエリック・ゲイルまで、ジョナのバンドがそのまま出てきます。ま、そんなことはいいとして、中身に触れていきましょう。

結論から言うと値段の安さから言ってもとってもお買い得だと思います。スリムなポール・サイモン、そしてポール式のR&Bが堪能できます。セッションミュージシャンも豪華だしね。

コンサートは「僕とフリオと校庭で」で始まりますが、これはまあポールのサービス精神かもしれないし、準備運動なのかな。コンサート中ではどっちかっていうと浮いてる曲。基本的にセントラルパーク・コンサートとおんなじアレンジなのでそこからブラスやアート・ガーファンクルが抜け落ちた分、ちょっと物足りない感じがしてしまう。ただし曲を通じてエリック・ゲイルがすべるようなギターリックを絡めてくるのでそれが心地よいです。つづく「時の流れに」も同じで、やはりブラス隊以外はほとんどおんなじアレンジ。ジョージ・ヤングという人のサックスソロがなかなか聴かせます。

ここで「誕生日おめでとう!」と声をかけられたポールが「誕生日おめでとうって?今日は誕生日じゃないよ。」と答えます。このコンサートは1980年の10月7日とありますので、13日の実際の誕生日まではあと6日あるわけですが、それにしてもこんなひねくれた答えを返すのはポールっぽいですね。「今日じゃなくても、もうすぐでしょ?」というファンに、「ほとんど誕生日に近いけど、今日じゃないんだよ」。当然ポールのファンですから、ひねくれて返します。「あなたの誕生日には僕は会えないんだから、いまおめでとうって言うんだよ!」ここへ来てポールはようやく「わかった、そのとおりだ、ありがたく受け止めておくよ」と返事します。ああ、素直じゃないこと。

さて次の「エース・イン・ザ・ホール」がハイライトのひとつです。リチャード・ティーの力強いボーカルが聞けます。この曲がライブで映えるのは、バンドメンバーのひとりひとりに見せ場があるからなんですよね。ポールとリチャード・ティー(もちろんレコードの通りタンバリンもたたく!)だけでなく、トニー・レヴィンも躍動感あふれるベースを弾くし、スティーヴ・ガッドのドラム展開も見せ場たっぷり。エリック・ゲイルもこういうブルース系のギターは全開モード。盛り上がります。

ポールはここでアコースティックギターに持ち替えますが、ここで一言。「それ、邪魔じゃない?見えないんじゃないの?」と観客に話しかけます。何かが邪魔になってるようなんですが、よくわかりません。で、また本音なんだかポーズなんだかよくわからない一言。「もしずっとそれが邪魔してるようだったら前に来てここに座っていいよ。っていうか、そんなことして許されるのかわかんないけど、少なくとも僕はかまわないよ。」観客笑い。

「何かがうまく」は僕の大好きな曲で、クインシー・ジョンズによるオーケストラアレンジの見事な曲でしたが、ここではガット・ギターに変わってスティール弦の硬い音と、スティーヴ・ガッドのドラマティックなドラムによって違う味付けが新鮮です。バンドでやってもなかなかいいですね。

曲が終わってまたポールがいたずらを思いつきます。トニー・レヴィンのベースを撮っていたカメラクルーに後ろから近づいて「名前を聞いてなかったね」とマイクを向けます。カメラマンはビックリして「なんですって?」と聞き返しますが、名前をまた聞かれて「ジョー」と答えます。ポールは「みなさん、こちらはジョーです」そして隣のカメラマンにも名前を尋ね、「ウェインです!」と紹介したあと、とんでもない一言を。「皆さんの今宵の楽しみが台無しになるかどうかはこのジョンとウェインにかかっています。」観客爆笑。もちろん、そのあと「いやいや、うそです。すべての責任は僕にありますよ。」と付け足しますけどね。

さあ次がもうひとつのハイライト、「ワン・トリック・ポニー」です。この曲はトニー・レヴィンのベースがまず重要!その上に乗っかってエリック・ゲイルがわが道を行くようなギター。このバンドにぴったりの、というかこのバンドでないとこの曲はこんなによく聞こえなかっただろう、平凡な歌に終わってただろうと思われるのです。

「ジョナ」はライブで聴けるのはここだけなので、これはこれで貴重なトラックです。こんなハイストリングで弾いてるなんてこれみて初めて知った。ポールもお気に入りの曲ですね。

「恋人と別れる50の方法」もアレンジはセントラルパーク・コンサートと同じ、ただしエリック・ゲイルがまたここでも存在感を発揮してます。全く表情を変えずにすごいフレーズを弾いてます。

「追憶の夜」はたくさんのライブバージョンがありますが、このライブのバージョンが一番かっこいいと思います。抑え目の前半とは打って変わってブラスが入り大盛り上がりの後半へ。この辺の流れがいい感じです。あんまり良く聴こえないんですがトニー・レヴィンがかなりベースで細かく動いてます。間奏部ではこの人パーカッションまでたたいてノリノリですね。間奏後のバースからはリチャード・ティーがハモリで入りますが、やっぱりこの曲はアーティよりもリチャード・ティーのボーカルのほうが泥臭くてあってるなぁ。この曲が終わったところで大歓声の観客席が映るんですが、何でこんなにひげ面の人が多いんだろう…。

以上、8曲でした(笑)。と、言うのはあんまりこのあとの3曲ってアレンジがいまいちかなぁ。エレキ・ギターで弾き語りに近いことをやってるからかもしれませんが、いやにあっさりしてます。最後の「サウンド・オブ・サイレンス」にいたってはエレキ一本のみで間奏もなしで、しかも「リクエストは?」と聞いておきながらすでにカポを高フレットにはめていて、この曲をすぐに弾き出すというちょっともうちっと考えればいいのに…ってな感じでした。

と、いうことはこの時期、ポール・サイモンとしてはやっぱりスランプだったのかな。これだけの豪華なミュージシャンとのセッションの中で新しいものを見つけようと試行錯誤だったのではないかなと感じられます。バンドもののライブとしてはかなり完成度高いと思います。

なんか気になるのがおまけ特典なんですが、ディスコグラフィーやバイオグラフィー、微妙に間違ってるところが多い。とくにアルバムのリリース年なんかけっこう違うんです。まあいいですけど。それからジャケット裏にはドルビー・デジタル&ステレオという表記しかないので、なんだドルデジの圧縮音声で2chじゃたいした音じゃないな、と思ってたら2chはちゃんとPCMだし、dtsの5.1chサウンドまで入ってます。ああ、ホームシアターセットうっぱらうんじゃなかった…。またそろえるかな…。




posted by yossie at 01:38 | 東京 ☔ | コメント(2) | トラックバック(0) | Simon&Garfunkel
この記事へのコメント
もっていますこのビデオ・・・・・
と言ってもレーザーディスクで
まだLDが世間から認知され始めたことで
ソフトの数なんてそんなになかった時代
値段は5800円でした
確かNHKでもテレビ放送されたし
NHK-FMでも音楽評論家の渋谷陽一さんのパーソナリティで放送されました
もう20年以上も前のこと・・・・・・・・
なつかしいです
メンバーのリチャードティーとエリックゲイルは
すでに亡くなっていて時代の流れを感じさせますね
あの当時今にして思えば動くサイモンを見れるのはとても貴重でしたね
アコギは持たずエレクトリック一本で最後まで演奏していて・・・・・
サイモンと言ったらやっぱりアコギでしょう
アメリカの歌からアンコールのサウンドオブサイレンスまで何となく歌い流しているような感じ
やっぱりスランプだったのか・・・・・
まあジョナレビンバンドのコンサートって言うことでしょうがそれなりに楽しめた
ジョナレビンのレビンとはやっぱりトニーレビンのレビンからとったみたいですよ
Posted by ひでゆき at 2005年05月31日 23:41
ひでゆきさん、やりましたなNHK-FMで、テレビでもNHKが「ヤングミュージックショー」でやりました。

確かに、この時期のポールは、かなり深刻なスランプだったようですね。精神分析医にかかって、それを「アレジー」なんて歌にしてるところが転んでもタダでは起きないポールの面目躍如という感じですが。タフなオッサンです。

エレキにしたのは「ロック」をやりたかったということと、会場の大きさを考えてのことじゃないでしょうか。でも、まあ確かにアコギでもう少し演奏して欲しかったですけどね。「何かがうまく」だけっていうのは、ちと寂しいですね。

でも、バックのサウンドはメンツの凄さもあって、とんでもなく素晴らしい物だったと思いますよ。このツアー、日本にも来る予定だったのに、赤字だったらしく切符の余ったステージもあったらしくお流れになったんですよね。残念です。でも「エースインザホール」でのガッドのドラムは何度聞いてもすごいな〜。
Posted by ひろみつ at 2005年06月01日 22:36
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